賃貸住宅から出るときのトラブル。「部屋の傷や汚れ」による高額請求がストレスに

[2023/12/6 00:00]

賃貸住宅から出るときのトラブル

不動産業のAlbaLink(アルバリンク)が、「賃貸物件退去時のトラブルに関する意識調査」の結果を公開しています。

2023年10月から11月にかけて行なわれたインターネット調査には、賃貸物件の退去時にトラブルを経験したことがある304人が回答しています。

アパートやマンションなどの賃貸物件を出るときは、あらかじめ預けてある「敷金(しききん)」から修繕するための経費などが差し引かれます。

しかし、敷金の清算をめぐるトラブルは少なくありません。

部屋の傷や汚れがトラブルの原因

まず、退去する際に起きたトラブルの内容を聞いています。

一番多い回答は「室内の傷・汚れを指摘された」でした。

次に多いのが「元々あった傷・汚れを指摘された」で、三番目も「経年劣化の傷・汚れを指摘された」です。

つまり、室内にあった傷や汚れが、入居者によるものなのか、もともとあったり自然にできたものであるかという判断の違いによるトラブルが多いのです。

経年劣化や通常損耗の範囲を判断するのが難しいことが、トラブルが多い原因となっています。

出典:AlbaLink

請求通りに払ってしまう人が多い

回答者は、トラブルに対して、どのように対応したのでしょうか。

一番多い回答は、「請求額通り払った」でした。

不満をもちつつも請求通りに支払っている人が多いことが分かります。

言われるまま支払った理由は、「大きな額ではなかった」「自分が悪かった」「時間がなく面倒だった」「知識がなかった」などです。

次に多い回答は「交渉・抗議して支払わなかった」です。

この場合、「経年劣化や通常損耗は大家の負担」「元々あった傷について請求されるのはおかしい」と知っていると、それを理由にして反論することができます。

三番目に多かった回答は「第三者に相談した」でした。

相談相手は「家族や知り合い」「弁護士や行政書士」「国民生活センター」などです。

また、弁護士や公的機関に相談してきたと伝えると、大家さんや管理会社の態度が軟化するケースもあります。

出典:AlbaLink

トラブルの結果は「金銭」と「ストレス」

最後に「賃貸物件の退去時にトラブルが生じたことによる影響」を聞いています。

やはり、「金銭的損失」と「精神的ストレス」を挙げる人が多くなっています。

もともと引っ越しでお金がかかるときに、予定していた敷金が戻ってこなかったり、さらに請求があるなどの「金銭的損失」の影響は小さくありません。

また、引っ越しの手順や新居での生活で頭が一杯のときに、退去する物件についてトラブルが起きると、足を引っ張られたような嫌な気持ちになってしまいます。

出典:AlbaLink

トラブルが起きたときの対応

では、自分が賃貸住宅から退去するときに、予想外に高額な請求をされたときはどうすれば良いのでしょうか。

まずは冷静に請求書の内訳をチェックしましょう。

そして、高すぎる項目や内容が不明な項目があったら、大家さんや管理会社に問い合わせてください。

その請求が正当なものであれば、納得できる説明が返ってくるはずです。

その上で、大家さんや管理会社との交渉が難しいと感じたときは、弁護士や司法書士による無料相談会や国民生活センターの相談窓口など、第三者の力を借りましょう。

[シニアガイド編集部]