電子書籍の利用者は「3割」。選んだ理由は「無料で読める本があるから」
「電子書籍」についてのアンケート
電子書籍情報サイトの「to be SOLDOUT」が、「電子書籍に関するアンケート」の結果を公開しています。
2023年8月に行なわれたインターネット調査には、20代から80代の男女2,000人が回答しています。
電子書籍を読む人は「3割」
電子書籍を利用した経験がある人は、29.85%でした。
ほぼ3割の人が電子書籍を利用していることが分かります。
電子書籍を選んだ理由は「無料で読める本があるから」
電子書籍を利用している人に、その理由を聞いています。
一番多い回答は、「無料で読める本があるから」でした。
ほぼ5割の人が、これを挙げています。
電子書籍を販売するサイトでは、シリーズ物の宣伝のために、最初の1巻を無料で公開していることがあります。
また、期間を限定して、シリーズの何巻かを無償公開したり、もともとの価格を割引して販売することであたらしい読者を集めることがあります。
このようなマーケッティングが普及しているため、電子書籍サイトの会員になるだけで、数十冊から数百冊の本が無償で読めるのです。
また、著作権が切れた著作物をボランティアが入力している「青空文庫」によって、古典的な小説やエッセイが多数公開されています。
次に多い回答は「収納場所がいらないから」でした。
読まない状態でも場所を取る紙の本に対して、電子書籍の利点と言えるでしょう。
三番目も「持ち運びに便利だから」で、電子書籍の便利さを感じていることが分かります。
ここに挙がっている以外の理由では、「文字の大きさを自由に変えられる」があります。
老眼などで小さい文字が読みにくくなった高齢者には、文字を大きくできる電子書籍を好む人もいます。
紙の本を選ぶ理由は「紙の質感が好きだから」
最後に、電子書籍を利用していない人に、その理由を聞いています。
一番多い回答は、「紙の質感が好きだから」でした。
本の内容だけではなく、「紙の本」というモノに対する強い思い入れが感じられます。
次に多いのが「デジタルの画面が読みづらいから」でした。
三番目も「目に負担がかかるから」で、電子書籍を読む液晶やE-inkなどの画面に対する拒否感が強いことが分かります。
なお、「その他」のコメントとして、「電子書籍はサービスが終了すると見れなくなる可能性があるリスクがある」がありました。
日本では、2013年に楽天が運営していた「Raboo(ラブー)」というサービスが撤退した際に、購入した本が読めなくなったことがあります。
正確には、ダウンロードした端末では読めますが、他の端末で読むことができなくなるなどの制限ができたのです。
購入した本の金額の一部が楽天ポイントで返ってきましたが、全額分ではありませんでした。
一度、こういうことがあると、10年を経過しても、ユーザーの記憶に残ることが分かります。
手元に置いておく限り、いつまでも読める紙の本の方が安心感があるというのは共感できる人も多いでしょう。