1万社に聞いた、2024年の景気は「回復」それとも「悪化」
[2024/1/2 00:00]
1万社が感じている景気の見通し
調査会社の帝国データバンクが、「2024年の景気見通しに対する企業の見解」を調査しています。
2023年11月に行なわれたインターネット調査には、1万1,396社が回答しています。
「踊り場」と「分からない」が多数派
2024年の景気見通しについて尋ねたところ、一番多い回答は「踊り場」で「42.1%」でした。
つまり2023年と大差ないという回答が4割を超えています。
次に多いのが「分からない」で「24.8%」でした。
「悪化」するが「20.3%」、「回復」するが「12.8%」です。
新型コロナ流行前の2019年の調査に比べて、「悪化」が減り、「踊り場」と「回復」が増えています。
この結果を見る限り、下振れするリスクを抱えつつも、景気は横ばいで推移すると見て良いでしょう。
心配なのは「価格の上昇」と「人手不足」
では、 2024年の景気が悪化する可能性がある材料は何でしょう。
「懸念される材料」として真っ先に挙がったのが「原油・素材価格(の上昇)」でした。
昨年より減ったとは言え「59.0%」の企業がこれを挙げています。
次に多いのが「人手不足」で「40.5%」でした。
こちらは昨年よりも大きく増えています。
三番目が「為替(かわせ)」で、円安を心配する企業が「37.4%」ありました。
以下、「インフレ」「金利の上昇」などが挙がっています。
「回復する」か「悪化する」か、企業の生の声
最後に、景気が「回復する」とすると見ている企業と、「悪化する」と見ている企業のコメントを紹介します。
あなたは、どちらの意見が共感できるでしょうか。
景気が「回復」する
- 「正常な経済活動に戻りつつあることは良い兆しだと思う。積極的な設備投資・事業推進を期待したい」(専門サービス、茨城県)
景気が「悪化」する
- 「世界情勢・国内情勢ともに明るい話題がないため、マイナス方向に動く感じがする」(運輸・倉庫、北海道)
- 「物価高騰、増税、人手不足、高齢者人口の増加、2024年問題など明るい材料が見当たらない」(建設、東京都)
- 人手不足への対応が全業種のカギとなる。人手不足により、設備を稼働できないことや、発注はあるが対応できないなどの影響が出てしまうと、業況の回復が足踏みしてしまう」(金融、福岡県)