住宅ローン金利は「上昇」を予想する人が7割。物件価格も「上昇」が続く
住宅ローンについてのアンケート
不動産情報サービスの「LIFULL HOME'S」が「住宅ローンに関する意識調査」の結果を公開しています。
2023年12月に行なわれたインターネット調査には、5年以内に家を購入する予定がある658人が回答しています。
ここでは、金利の動向を中心に内容を紹介します。
住宅ローン金利は「上昇」を予想する人が多い
今後1年間の住宅ローンの金利について、その見通しを聞いています。
一番多い回答は、「ゆるやかに上昇する」でした。
回答者の半分以上がこれを選んでいます。
さらに、「何かをきっかけに大きく上昇する」(16.9%)と合わせると、7割の人が金利の「上昇」を予想しています。
このような予想が出てくる背景には、日銀の政策変更があります。
現在の住宅ローンの金利は、「変動金利」が0.3~0.5%、「固定金利」が1.4%~2.0%程度です。
しかし、日銀が長期金利の1%までの上昇を容認したことにより、「固定金利」は上昇し始めています。
さらに、今はマイナス金利に誘導されている短期金利の政策が変わると、それに連動している「変動金利」も上昇する可能性があります。
つまり、今後は「変動金利」と「固定金利」の両方が上昇する可能性が高いのです。
「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」が多い
住宅購入に関しての考えについて聞いています。
一番多い回答は「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」で、4割を超えました。
あまり差がなく「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」が続きます。
しかし、「希望に合う物件が出たら買いたい(現状希望に合う物件が出ていない)」という回答も多く、買いたい気持ちはあっても買える物件が見つかりにくくなっている状況がうかがえます。
「今なら固定金利を選ぶ」人が多い
今の時点で住宅ローンを組むとしたら「固定金利」と「変動金利」のどちらを選ぶかを聞いています。
「固定金利」を選ぶ人が67%、「変動金利」を選ぶ人が23%でした。
過去の同種の調査では「変動金利」を選ぶ人が多かったのですが、ここに来て「固定金利」の人気が高まっているようです。
今後、住宅ローンを組む場合は、「変動金利」だけではなく「固定金利」も検討すべきでしょう。
不動産価格も「上昇する」が5割を超える
最後に、今後1年間について不動産価格が上昇するかどうかを聞いています。
5割以上の人が「上昇すると思う」と答えています。
つまり、今後1年間の予想として、物件価格と住宅ローン金利の両方が上昇する可能性が高いのです。
そうなれば、住宅ローンを前提とした物件の購入は、かなり厳しくなるでしょう。
不動産の購入を考えている人は、検討を急ぐ必要がありそうです。