ラーメン店の倒産と廃業が急増、過去15年間で最多に。コストは上がっても“千円の壁”が超えられない
[2024/1/27 00:00]
過去15年間で最多の倒産と廃業
調査会社の東京商工リサーチによれば、「ラーメン店」の倒産や廃業が増えています。
2023年の1年間で、負債が1千万円を超える「倒産」は45件、自主的な「廃業」は29件でした。
いずれも、2009年以降の15年間で最多となっています。
コストは上がっても値段が上げられない
ラーメン店の経営が苦しい理由は、複数あります。
まず、新型コロナ対策として行なわれてきた融資などの支援が終了しました。
さらに、ウクライナ侵攻や円安により、輸入小麦などの食材や、電気やガスなどの光熱費、人件費が上昇しました。
一方、コストが上昇しても、ラーメンの値上げは容易ではありません。
ラーメンの適正価格は、“味と納得感”という曖昧な基準で決まります。
また、業界のプライスリーダーとなる大手がいない業界のため、“千円の壁”を超えることが難しい情勢なのです。
差別化ができない店舗は今後も苦しい
ラーメン店は、少ない開業資金で参入しやすい業種です。
しかし、出店のハードルが低い分、同業との競合は激しく、SNSなどの口コミで人気が左右されやすいという特徴があります。
他店との差別化が難しい中小の店舗については、今後も倒産や廃業が続くでしょう。