テレワークの実施率が過去最低に。大企業は拡大、中小企業は縮小の傾向

[2024/2/12 00:00]

テレワークの実施率が過去最低に

公益財団法人 日本生産性本部の調査によれば、国内でのテレワーク実施率が15%を切り、過去最低となりました。

ここで言う「テレワーク」とは、コンピューターネットワークを使って、会社のオフィス以外で勤務することを言います。

例えば、「自宅」「サテライトオフィスなどの施設」、そしてカフェや屋外での「モバイルワーク」などを総称して「テレワーク」と呼んでいます。

新型コロナで広まった「テレワーク」

テレワークの実施率は、新型コロナウイルス感染症の流行によって、一気に向上しました。

流行が始まった直後の2020年5月には、過去最高の「31.5%」に達しました。

しかし、その後は実施率の低下が続いています。

2024年1月に行なわれたインターネット調査では1,100人の回答者のうち、テレワークを実施しているのは過去最低の「14.8%」に留まりました。

新型コロナ流行直後に比べて、テレワークを実施している企業が半分に減ってしまったのです。

出典:日本生産性本部

大企業は拡大、中小企業は縮小

テレワークの実施率は、会社の規模が大きくなるほど高くなります。

今回の調査でも、従業員数が千人を超える大企業では「29.4%」でした。

しかし、中規模の企業では「13.4%」、従業員数が100人以下の小規模の企業では「9.4%」まで下がっています。

人員に余裕があり、設備投資もできる大企業ではテレワークが拡大しているのに対し、中小企業ではオフィスへの回帰が起こっているのです。

出典:日本生産性本部

「出社」の義務の確認が重要に

テレワークの実施率が下がることによって、労働の現場ではさまざまな問題が発生しています。

例えば「介護と両立するためにテレワークの仕事を始めたが、出社を求められるようになって困っている」とか、「テレワークで仕事に専念できていたが、出社するようになって人間関係の問題が発生した」という実例を耳にするようになりました。

現在、純粋なテレワークで働いている人も、将来的には出社が求められる事態もありえることを想定しておくべきでしょう。

また、テレワークでの仕事を探す場合には、出社の義務と回数について、必ず確認してください。

[シニアガイド編集部]