新型コロナの影響で、3年連続で300社以上が「首都圏」を脱出。転出先の1位は「大阪府」
首都圏から出ていく「本社」
2023年に、本社機能を首都圏から地方に移転した企業は「347社」でした。
地方への転出は、2021年から3年連続で300社を超えています。
新型コロナが流行した2020年からは、テレワークの普及などもあって、地方へ本社を移す企業が増えています。
なお、ここでいう「首都圏」は、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県の一都三県を指しています。
2023年は転出が多い「転出超過」だった
一方、地方から首都圏へと本社を移した企業は「310社」でした。
転出した企業の数には及びませんが、高い水準となっています。
転出した企業数から転入した企業数を差し引いた「転出超過社数」は37社でした。
転出も転入も1位は「大阪府」
首都圏からの転出先で一番多いのは「大阪府」でした。
以下、茨城県、愛知県、福岡県、栃木県と続きます。
各地方の大都市と、北関東の県が並びます。
そして、首都圏への転入元で一番多いのも「大阪府」でした。
以下、愛知県、福岡県、静岡県、兵庫県と続きます。
こちらは大都市と、その周辺の県が並びます。
「サービス業」は移転しやすい
首都圏からの転出と、首都圏への転入が多い業種は、いずれも「サービス業」でした。
「サービス業」はソフトウェア関係など、比較的移転しやすい業種が多く、移動しやすいことが分かります。
転出では、「卸売業」が増えています。
「卸売業」では、郊外の大規模な物流センター開設に伴う本社の移転も少なくありません。
一方、転入では「建設業」や「不動産業」が増えており、首都圏での需要が大きいことが分かります。
新型コロナの終わりで、首都圏への揺り戻しが始まる
2023年は、首都圏からの転出が多い「転出超過」の年でした。
しかし、2024年は新型コロナの5類移行から1年が経過し、人材の獲得のため首都圏に活動拠点を移す動きが活発になってきました。
そのため、4年ぶりに首都圏への企業転入が転出を上回る「転入超過」になる可能性もあるでしょう。