老後は「年金だけで暮らせる」と思っている人は3割もいない。「公的年金と個人年金や貯金との組み合わせ」で暮らす人が主流

[2024/3/6 00:00]

国による老後生活の世論調査

内閣府が、「生活設計と年金に関する世論調査」の結果を公開しています。

2023年11月から12月にかけて行なわれた郵送調査には、18歳以上の日本人2,833人が回答しています。

この記事では、公的年金の位置付けについての回答を紹介します。

「公的年金」だけで暮らせると思っている人は少ない

最初に、「公的年金」の位置付けを聞いています。

老後生活において、公的年金はどれぐらい頼りになると思われているのでしょうか。

一番多い回答は「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」でした。

この回答が、全体の半分以上を占めています。

つまり、公的年金だけに頼るのではなく、それを補うための資産が必要であると考えている人が多いのです。

次に多いのが「全面的に公的年金に頼る」でした。

こちらは、全体の4分の1を占めています。

しかし、公的年金の平均月額は、国民年金で56,000円、厚生年金で145,000円です。

これだけを頼りにして生活するには、少し足りないと思った方が良いでしょう。

出典:内閣府のデータをもとに編集部が作成

公的年金を補うのは「預貯金」

では、回答者は、公的年金を補うためには、どのような資産を用意しているのでしょうか。

一番多いのは「預貯金」で、全体の7割近くに及びます。

次に多いのが「退職金と企業年金」で、こちらは3割ほどです。

以下、NISA(ニーサ)、個人年金保険、NISA以外の証券投資、国民年金基金などが続きます。

確実性が高い「預貯金」が主役で、いわゆる「投資」をしている人は多くありません。

「老後に向けた資産形成はしない、またはしなかった」という人は12.5%に留まっています。

つまり、老後に向けて何かをしたいと思っている人が多いのですが、預貯金以外にはなかなか踏み出せないということでしょう。

出典:内閣府のデータをもとに編集部が作成

投資が不安なら天引きで貯められる方法を

今回の調査結果を見ると、「公的年金」に頼らないわけにはいかないが、それだけに頼って暮らせるとは思っていないことが分かります。

また、公的年金を補うための手段としては「預貯金」が主であることが分かりました。

NISAなどの投資に踏み出せないのであれば、とりあえず天引きでお金を貯められる「国民年金基金」や「iDeCo(イデコ)」などの利用を検討してください。

[シニアガイド編集部]