第21回:“小"葬儀社が“大"葬儀社に打ち勝つ集客術
YouTubeは大企業でも真似のできない集客ツールである

[2019/12/2 00:00]


葬儀社の佐藤葬祭(東京都世田谷区、1店舗、5名体制)の佐藤信顕社長は、YouTube(ユーチューブ)で情報発信し、葬儀の集客に活用されています。

「葬儀・葬式ch」という番組を2015年5月からスタートし、これまで858本(11月19日現在)を製作して放送。番組登録者数は7万人を超え、1日平均の再生回数は4万5千回に及んでいます。

私は、この「葬儀・葬式ch」は、大手葬儀社にも十分対抗でき、さらには打ち勝てる可能性を秘めた新しい集客ツールではないかと注目しています。

そこで、佐藤信顕社長にお話をお聞きしました。

佐藤信顕(さとう のぶあき)氏

ブログやメルマガなどの文字情報はコピーされやすい

まず、YouTubeで情報発信し、葬儀の集客に活用されるまでの経緯についてお聞かせください。

私は早くからインターネットを使って情報発信し、集客に活用してきました。2年間ほどは、検索エンジンの上位に表示され、葬儀の依頼が増えてものすごく忙しくなり、率直に言って儲かりました。

しかし、インターネットでの集客は過当競争となり、小企業では太刀打ちできなくなりました。

どういうことかと言うと、インターネットを集客に活用していた人は分かることですが、HP(ホームページ)やブログの内容に幾ら力を入れても、利用者が使うのはグーグルやヤフーなどの検索エンジンなわけです。

検索エンジンで検索してもらうためには上位に表示される必要がありますが、プロの業者が参入してきて、自動化の技術や低価格の人海戦術などを使って表示順位を競うようになり、素人が勝つのはほぼ不可能となりました。

地上での商売で言うと、良い立地のところが抑えられてしまい、別の立地の良いところを探さなければならなくなったということです。

それでも上位表示させようと思うと、検索キーワードによりワンクリック500円から1,300円位の広告費を負担するしかなくなりました。

葬儀のクリック単価もかなり上がりましたね。

資料請求ではなく、クリックしてサイトを見るだけの単価ですから高すぎます。

しかも、検索時の表示順位を決める基準はある程度はあるけれども、広告をたくさん出してもらうために、グーグルやヤフーは表示順位をシャッフルします。

つまり、検索エンジンというのは、広告を出してもらうためのビジネスだということです。ユーザーにとっては便利なものですが、商売人にとっては、あれはビジネスで行なっているものだということを、しっかり認識しなければいけません。

では、その単価で広告を出して上位表示されると商売になるのかと言いますと、我われのように営業エリアが限られているところではなりません。

我われが商売になるのは、ワンクリック150円からせいぜい200円位までです。

以上のようなことから、インターネットでは、競争に勝つことはできなくなりました。

佐藤さんは、メールマガジンも書かれていたと思いますが、メルマガはどうなのでしょうか。

お客様は、一度見たり聞いたりしたぐらいではお店を記憶できません。ですから、繰り返し、繰り返し接触することによって、お店の名前と存在を認知してもらうことがとても重要です。

そのためのツールとして、メールマガジンは有効です。

一時期は、登録者数が数万人になり、メルマガを週2回くらい書いて、その中に商品・サービスの広告を出すと、それだけで売上は月に数百万円から数千万円、年間では1億円以上売上げた人はざらにいました。

しかし、メルマガは儲かるということで、皆が行なうようになりました。

そして、他人の文章をパクル悪い奴もたくさん出てきました。ブログもそうですが、文字情報はコピーしやすいからです。

人気のメルマガをコピーすることにより、信用できそうな良い感じのメルマガを、誰もが作れるようになって、競争が非常に激しくなりました。

その中で、私のようにきちんとした内容のメルマガを書いても、目立ちませんし、迷惑メールホルダーの中に入れられたりして、顧客に届かなくなってきました。

結局、メルマガやブログなどの文字情報はパクられやすいので、動画情報にしなければいけないなと思ったのが、YouTubeを始めた大きな理由の一つです。

YouTubeの「葬儀・葬式ch」トップページ

大変で辛いからこそ競争優位に立てる

メルマガやブログは競争が激しいけれども、YouTubeはそうではないということですね。

そうです。YouTubeを見る人は非常に増えていますが、番組を作るのは大変で辛いから長く続けられる人はあまりいません。ですから、競争上優位に立てるのです。

何が大変で辛いのですか。

番組時間は1本5分を基本につくっていますが、話すネタ出し、簡単な台本作り、本番、編集作業などを含めると、2~3時間かかります。

出来てはいませんが、毎日更新を基本にしており、これらの作業を私一人で行なっています。

一番大変なのは、話すネタ出しです。番組のリスナーからの質問も放送回数が増えるにつれて多くなってきましたが、似たようなものが多くてあまり使えません。

ですので、頑張れば50本のネタは出せますが、50本を超えると地獄が始まり、100本を超えると本当の地獄になります。辛いというのは、そういう意味です。

でも、大変で辛いから行なわないのではなく、逆に、大変で辛いからこそ競争上優位に立てるので行なう価値があるということですね。

その通りです。YouTubeは、撮影・編集機材費などはさほどかかりませんし、根性さえあれば勝てる市場なのです。

それに、行っているうちに喋ることも、編集することにも慣れてきます。一番大変な話すネタ出しにしても、SNSなどの「質問サイト」を利用したり、時事問題に絡んだネタにしたり、方法はいろいろとあります。

また、番組製作本数が増えてくると、それらの再生回数によって視聴者の興味も分かってきます。視聴者が興味のあることだと、似たような内容のものを2回、3回放送しても、よく視聴してもらえます。

『葬儀・葬式ch』の放送の様子

お勧め関連動画に表示されると再生回数が急増する

YouTubeを使われ始めた、その他の理由をお聞かせ下さい。

人は、お金を払っても良い相手かどうかは、まず信用できるかどうかで判断します。

テキストだけの情報よりも、顔を見た方がどんな人か理解しやすく、信用できるかどうかを判断しやすいのです。

ですから、顔出しすることによって培われる信用というのは、テキストだけの比ではありません。

動画コンテンツというのは、文字コンテンツに比べて、他にも優れた特徴があります。

それは、メルマガやブログは、毎日読むと飽きるのに対し、動画コンテンツは10分以内であれば毎日更新しても飽きないということです。

登録視聴者は、毎日放送してくださいという人が多いのです。

その理由は良く分かりませんが、話すテーマは同じでも、話す内容はいろいろ変わりますし、音声は情報量も多いことなどが理由かもしれません。

飽きないと番組本数を多くすることができますし、多くすると接触回数も多くなることによって、親近感も増します。

これを「ザイオンス効果」といい、望ましい商売の基本に合致します。

「ザイオンス効果」というのは、親近感が増すことによって高感度や評価等が高まっていくという効果ですので、商品やサービスが必要になった時に、その人が選ばれる確率も高くなるのです。

番組本数が858本と多いことや、いまお話のあったYouTubeの特性などから、登録者数もスタートからわずか4年で7万人を超えたわけですね。

そうです。登録者数は、メルマガなどに比べて、YouTubeの方が断然増えやすいのです。

葬儀の仕事で登録者数を5千人にするのは、メルマガでは不可能に近かったものが、YouTubeでは開始から2年間で超え、その後2年間で7万人を超えました。

登録者数が多いのにも増して、私が驚いたのは1日平均の再生回数が4万5千回と非常に多いことです。番組本数や登録者数が多い、番組内容が良いというほかに、どういう要因があるのですか。

YouTubeでは、その番組内容に関連するお勧めの動画が表示されます。そのお勧め関連動画に私の番組動画が表示され、私の番組動画もよく再生されるということがあります。

例えば、どこかのユーチューバーが「火葬の裏側を教えます」という非常に人気のある動画をつくり、1日10万回再生されとします。そこに関連動画として表示された私の番組も、1日1万回再生されるということが起こるのです。

そして、私の番組がたくさん再生されると、お勧め関連動画の上位に表示されるようになり、しばらくの間、私の番組が再生され続けて、累計再生回数が非常に多くなるのです。

でも、私が作ったどの番組がそのように関連動画として再生されるのかはまったく分りません。再生されるためには、番組をたくさん作っておくしかありません。

ユーチューバーは役者なので真似られない

今日の取材で一番お聞きしたかったことです。YouTubeの特性や、番組本数、登録者数、再生回数などの推移を見ていますと、これは大手葬儀社にも打ち勝てる集客法ではないかと私は思ったのですが、いかがでしょうか。

YouTubeを使って全国展開しようと思っているわけではありませんし、店舗がある地域とその周辺を中心に営業エリアとしていますので、そのエリア内では大企業にも十分勝てると思って始めたことです。

YouTubeは、大企業より小企業の方が有利なのは、一つは、大企業は社員が顔出しをして、組織の一員として責任をとれる情報発信はしにくいからです。

小企業は、社長個人の会社に近いですから、社長個人の色を出しやすいし、責任もとれるのでYouTubeを使いやすいのです。

大手がお金を出して、ユーチューバーを揃えたところで、個人的な見解は発信しにくく、発信できるのは汎用性のある葬儀知識などにならざるを得ません。

そうすると、番組は作れても100本が限界で、500本や1,000本作るのは不可能に近いと思います。

佐藤さんが「葬儀・葬式ch」で話されているのは、汎用性のある葬儀知識ではないですものね。

一般の生活者の方が、葬儀に関して素朴に聞きたいことや疑問に思っていることなどを中心に話しています。

例えば、「お坊さんは、なぜ髪の毛を剃っているの」、「お祖母ちゃんは、亡くなったらどこにいくの」といったことです。

そういう話は、人によって見解が異なりますので、大企業では見解として話すのは難しく、小企業の方が話しやすいのです。

小企業の方が有利であるもう一つの理由は何でしょうか。

先ほど、動画情報はパクりにくいと言いましたが、その一番の理由は、話す内容に関わらず、お客さんがつくのはキャラクターだからです。

お客さんがつくキャラクターというのは、信用があり、魅力がある人です。

信用や魅力は、たくさん稽古しないと身に付きません。そうして出来上がったキャラクターというのは、パクることはできません。

役者みたいなものですね。

そうそう、ユーチューバーは役者なのです。

YouTubeで『仏教・お寺ch』を放送している大慈さんを招いての配信の様子

直近1年間の葬儀施行売上は2千万円超

「葬儀・葬式ch」は、基本的には情報発信ツールだと思います。それを、どのように売上につながるようにされているのか。また、現状での売上額についてお聞かせいただけますか。

まず「葬儀・葬式ch」での広告収入ですが、私は本業の葬儀施行につなげるための集客ツールとして位置付けていますので、期待はしていません。

とは言え、月によって波はありますが、悪いときでも10万円台後半、良い時では30万円を超えるようになってきました。

4年間努力してきたことに比べると、まだスズメの涙でしかありませんが、単月で30万円となると社長の給料の一部にはなります。ユーチューバーとしての広告収入も会社に入れていますので。

本業の葬儀関係の売上には、どのようにつながるようにされているのですか。

「葬儀・葬式ch」の放送の中で、一つは、佐藤葬祭の会社案内や葬儀関係の資料請求をしてくださいと言っています。

また、佐藤葬祭では家族葬セミナーなどを定期的に行なっており、そうした集客イベントの告知も必ず行なっています。

YouTubeの中で、そういうことを言うと、売り込みみたいで嫌だなと思っても、リアルの場でお金に換えていくということが出来なかったらYouTubeも続けることはできませんので、お金に換えることはすごく大事です。

佐藤葬祭のイベントやセミナーに来ていただいたら、事前相談などの流れを説明して不安を取り除いてあげます。

「葬儀・葬式ch」の中で、葬儀の価格例を出してもいいのですが、リスナーはそこまでは聞いていません。そうしたことは、佐藤葬祭のHPや紙の資料に書いたり、セミナーなどで説明するようにしています。

こうしたことを行なっている結果、「葬儀・葬式ch」での情報発信による直近1年間の葬儀施行は、件数で20件、売上は2千万円超になっています。

佐藤葬祭主催の「家族葬セミナー」。「葬儀・葬式ch」で告知し、集客する。

YouTubeではリスナーから葬儀単価が高い紹介が発生する

葬儀件数・売上で、YouTubeならでは特徴はありますか。

インターネットやYouTubeなどを良く見ている人たちは、葬儀となるとネットで比較検討する人が多いので、依頼がある葬儀単価は安いものがほとんどです。

しかし、たまに単価の高い依頼があります。2,000万円の売上の中には、500万円と800万円の葬儀が含まれています。

この2つは、実は、「葬儀・葬式ch」のリスナーからの依頼ではなく、リスナーから紹介してもらった方の葬儀です。

リスナーの中には、社会的地位のある裕福な人たちと繋がっている人もいます。お金持ちの人たちというのは、お金があるから事前準備はしません。葬儀をしなければならなくなっても、ネットやYouTubeなどは信用していませんから、自分で調べたりもしません。

友人や知人に「どこか知っている」と聞くことが多いのです。そこで、「葬儀・葬式ch」のリスナーが「佐藤葬祭というところがあって、あそこはいいわよ」と話してくれると、「そこでいいわ」となって、当社に紹介いただけるのです。

こういう紹介が発生するというのが、YouTubeの大きな特徴です。

つまり、葬儀社がアプローチできていない葬儀ニーズがあり、YouTubeはそこにアプローチできるという競争優位性もあるということですね。すごいツールですね。

そのほか、葬儀関係の売上につなげようとされていることはありますか。

「葬儀・葬式ch」のリスナーは、全国に散らばっています。そのため、リスナーから「こちらの地域で佐藤さんが信頼できる葬儀社を紹介して下さい」という依頼が結構あります。

そこで、「葬儀・葬式chネットワーク」という葬儀社さんのネットワークを作りました。加盟の条件は、葬儀・葬式chを見てくれているということだけです。管理もするつもりはありませんし、緩やかな無理のない紹介の仕組みにしています。

手数料は若干いただきますが、それも加入社が皆で勉強会を行なう時の原資にするつもりです。

ですから、「葬儀・葬式chネットワーク」というのは、私が儲けるためのものではなく、志のある人たちが勉強をしながら頑張っていきましょうというネットワークです。

加入したのは、今のところ5社です。きちんと告知すればもっと増えると思いますが、登録者数が増えたことで出版、トークライブ、講師などの依頼が増えて非常に忙しくなり、そこまで手が回らない現状です。

著書『遺体と火葬の本当の話』の出版記念トークライブもYouTubeで放送された

葬儀・葬式chによる主な売上は、葬儀施行と広告で、年間2千数百万円ということですが、会社全体の売上に対する貢献ということではいかがですか。

会社全体の売上は、先ほど言いましたように、インターネットで集客できていた頃が最高で、その後、葬儀の小規模化で単価も落ちてきていますから、ピーク時に比べ、6千~7千万円ダウンしました。

しかし、それを底に、葬儀・葬式chによる売上分だけ盛り返してきました。

YouTubeを集客ツールとするには継続が一番大事

葬儀・葬式chによる今後の売上見通しはいかがですか。

今のペースで番組本数を増やしていくと、登録者数は20万~30万人にはなるでしょうし、再生回数も飛躍的に増えていくと思います。

そうすると、先ほど言いましたように、ザイオンス効果の対象となる人や、リスナーさんからの紹介対象となる人なども大幅に増えていきますので、それに比例して、葬儀依頼や広告も増えていくのは間違いありません。

あとは、競争相手がどの程度出てくるかですね。

競争相手が増えたとしても、私には有利に働きます。

というのは、「葬儀・葬式ch」のコンテンツは、葬儀に関してはあらゆることを網羅しています。そうすると、先ほど述べましたように、誰かのYouTube動画の再生回数が増えると、お勧め関連動画に私の動画も表示されて、再生回数が増えます。

再生回数が増えるだけでなく、「葬儀・葬式ch」の方がコンテンツの内容が良く、キャラクターも気に入られれば、佐藤社長のファンも増えていきますね。

そういうことです。ですから、YouTubeは先行する方が優位に立てるので、早くスタートすることが大事です。

「葬儀・葬式ch」に刺激され、特に佐藤さんが8月のエンディング産業展で講演をされた以降、YouTubeで番組放送を始めた葬儀社が増えてきました。最後に、そうした葬儀社やこれから始める葬儀社にアドバイスをお願いします。

YouTubeを集客に役立つようにするには、継続することが一番大事です。継続していくと、登録者数は加速度的に伸びていきます。

しかし、それがいつかは分かりません。1年後かもしれないし、2年後かもしれません。私の体験でも、加速度的に伸び始めたのは3年目からです。ですから、あきらめずに継続していくことが大事なのです。

登録者数だけでなく、再生回数を増やす上でも継続することが大事です。先ほど説明したように、関連動画として表示され、再生されることによって再生回数は増えていきますが、どの関連動画がいつ再生されるのかは分らず、再生されるためには継続して番組本数をたくさん作っておくしかないからです。

継続するためのポイントの一つは、初めから良いものを作ろうと思わないことです。下手でも構わないから継続することの方が大事です。

初めから良いものを作ろうとすると、継続することが難しくなります。下手でも良いから継続することができれば、自然と良いものがつくれるようになります。

今日は、佐藤社長の実体験も踏まえられた貴重なノウハウまでお話いただきありがとうございました。特に小企業の読者の方には、とても参考になると思います。


【佐藤信顕(さとう のぶあき)氏のプロフィール】

有限会社佐藤葬祭 代表取締役社長。

昭和5年創業の老舗葬儀社3代目。厚生労働省認定葬祭ディレクター1級。

1976年東京都生まれ。祖父の代から続く葬儀社を20歳で継ぎ、インターネットでの明瞭な価格公開などにいち早く取り組む。

2015年からはYouTubeにて『葬儀・葬式ch』の配信を開始。葬儀にまつわるあらゆるテーマを、真摯にわかりやすく解説する語り口が人気を呼ぶ。

アカデミー賞映画『おくりびと』の美術協力のほか、メディアへの出演も多数。

『葬儀・葬式ch』の動画内容をまとめた『遺体と火葬のほんとうの話』(二見書房)を2019年6月に出版した。

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塚本 優(つかもと まさる)
終活・葬送ジャーナリスト。早稲田大学法学部卒業。時事通信社などを経て2007年、葬祭(葬儀、お墓、寺院など)を事業領域とした鎌倉新書に入社。月刊誌の編集長を務めたほか、終活資格認定団体を立ち上げる。2013年、フリーの終活・葬送ジャーナリストとして独立。 生前の「介護・医療分野」と死後の「葬儀・供養分野」を中心に取材・執筆活動を行なっている。

[塚本優]