第33回:覆面座談会(上) コロナ禍の終活・葬送業界への影響と変化
withコロナを前提に、できることは全てやるが重要

[2020/9/1 00:00]


長引くコロナ禍の影響は終活・葬送業界においても大きく、先が見えない苦境に立たされています。

そこで、今回は趣を変えて、終活・葬送に携わる3名の専門家と一緒に、「終活・葬送業界の今とこれから」というテーマで覆面座談会を行ないました。

座談会は8月6日に行なったので、事実関係はその時点のものです。

意見交換したテーマは2つあり、今回は「コロナ禍が終活・葬送業界に与える影響と予想される変化」について掲載します。

明日は、「終活普及活動の問題・課題点とあるべき方向」について掲載します。

なお、 【塚本】 は司会役ですが、討論にも参加しています。

オンライン葬儀、オンライン法要は拡大するか

【塚本】 今回は、「コロナ禍が終活・葬送業界に与える影響と予想される変化」とのテーマで意見交換したいと思います。それぞれが感じていらっしゃることを順にお話しいただき、それに対して他の人が質問やコメントをするという形で進めさせていただきます。

まずAさんから、感じていらっしゃることをお聞かせください。

【A氏】 私は葬儀社に勤務し、業務の傍ら終活普及活動を行なっています。

業務で関わっている葬送業界への影響について話します。

コロナ禍での感染防止対策が、葬儀の縮小化、簡素化に拍車を掛けています。葬儀の小規模化が年々進み、近親者を中心にした家族葬の需要が増えていましたが、新型コロナの影響で小規模化に拍車がかかり、現在は家族だけでの一日葬が主流になっています。

特に緊急事態宣言時は、直葬(火葬式)も増え、ネットで集客する格安葬儀関連会社の需要が拡大していたように感じました。

この環境の変化は、弔いの儀式を通じ式典、飲食、返礼品などトータルでサポートを提供している葬祭業にとって葬儀施行単価が大幅に下落することとなり、経営面でも厳しい状況になっています。

最近の感染者数の増加傾向から考えても、この状況が長引くことが推測され、現在の縮小化、簡素化が葬儀の標準になってしまいそうで、アフターコロナでも以前の状況に戻るのは難しいと思っています。

ご遺族の終末期や死別体験の環境の変化も気がかりです。

【塚本】 それはどのようなことでしょうか。

【A氏】 現在では多くの病院や施設で感染対策のため面会に制限を掛けているため、終末期でも家族が会えないケースが多々あります。

そして、本来、葬儀には社会的なお別れの役割もあり、故人と親しい人との対面や交流が遺された人々の慰めの場でもありました。しかし、ちゃんとした看取りや弔いが出来ずに心残りになっている方も多く出ています。

コロナ禍当初は「一周忌には親しい人達で集まって……」と言われるご遺族が多かったのですが、昨今の状況では先行きも不安で遺族や近親者の心境にも様々な影響が出ているのではと思っています。

その反面、コロナを理由にお金を掛けずにシンブルに葬儀を済ませられて良かったと思われている方もいらっしゃるのも現実です。

このような状況から、withコロナでも経営できる体質改善や環境の変化に応じたサービスの提供が、存続のポイントになると思っています。

【B氏】 おっしゃる通り、一時期、葬儀単価や関連業界の収益の減少は顕著でしたね。

ただ、緊急事態宣言の解除後は一般葬や大き目な家族葬といった形が戻ってきているとも聞きます。

しかし、再び感染者が増えてきて、やはりwithコロナということを考えないといけないのかと思っています。

【塚本】 Bさん、「コロナ禍が終活・葬送業界に与える影響と予想される変化」について、感じられていることをお聞かせください。

【B氏】 私は、終活関連の法人で高齢者のサポート事業を中心に行なっており、ライフプランのコンサルティングも行なっています。

コロナ禍が葬祭業界に与えた影響ということでは、オンライン(リモート)系の関連事業が生まれてきています。

ただし、同じオンラインでも2種類あります。

1つは、葬儀自体をオンラインで行ない、従来の形ではない葬儀を提案する業者です。もう1つは、葬儀は従来通りに行ないつつ、その様子をオンラインで配信する業者です。

この2つの形が今後どのように支持されていくのか、注目されます。

このまま新型コロナウイルスでの自粛ムードが続くと、ユーザ側から前者のやり方を 支持する声が上がり出すかもしれません。

それを予想して、葬儀の単価アップのためのアイテムになるのではと期待している業者も存在しています。

しかし、オンラインによって、参列者が遠くからでも参列できる形などが浸透しても、従来通りの葬儀の様子をオンラインで配信するのが主流でしょうから、葬儀単価は現在のまま推移していく事になるのではないかと思われます。

現在の葬儀単価のまま推移していくと、葬儀件数が15~20%の範囲で増えたとしても、葬儀市場全体の売り上げは増えず、葬儀市場は今のままということになります。

ですから、葬儀業者にとっては、厳しい状況が続いていくことになるでしょう。

【塚本】 Cさん、いま、お話があった葬儀・供養のオンライン化については、どう思われますか。

【C氏】 私は元葬儀社に勤務。現在は終活関連のコンサルティング業務を行なっています。

オンラインでの法要については、どこも今、注目しています。特に、この7月のお盆は、東京のお盆もそうですが、申し込みが結構あったところが多いと聞いています。

オンライン法要は、例えば、家族がそれぞれ遠方に住んでいるとか、祖父母は施設に入っていて皆で集まれないといった時に、オンラインで一つの画面を通じて共有できるメリットがあるので、お寺さんはこれから結構力を入れていくのではないかと思います。

では、オンラインでの葬儀(映像)はどうかというと、業者にあえてお金を払ってというよりも、今は家族がスマホで撮って、流したい人には流せてしまうので、業者にお願いしてオンラインで行なうことが広がっていくのか現時点では疑問です。

ただ、参列できない人の中には、「遠方で参列したくてもできない」「どうしても都合がつかない」「足腰が不自由」という人だけではなく、「事情があって参列できる立場ではない」「遺族や他の参列者と顔を合わせることができない、顔を合わせたくない」という人もいるでしょう。

オンライン葬儀は、これまで「お別れをしたかったのにできなかった」という人に場を提供できるメリットがあると思います。

映像に限らず、オンライン記帳、オンライン香典決済等については、オンライン化に拍車がかかり、そう遠くない将来これがスタンダードになるのではないでしょうか。

「オンラインだけど多くの人とお別れができて良かった」という遺族の声や、「お世話になった方にオンラインでお別れができて良かった」という参列者の声が多くなれば、葬儀の新潮流になるかもしれません。

【A氏】 私は、葬儀のオンライン配信については、疑問です。

というのは、古い考え方かもしれませんが、葬儀の場は非現実空間で様々な感情の表現が垣間見れてしまうことから、その様子を無造作に中継すべきものではないと思うからです。

記録として録画や撮影したものや編集した動画を遺族が特定の人に配信することは、故人の尊厳や他の遺族への配慮があれば有効的な活用になると思います。

また、本当に必要な状況であればSNSなどを使ったライブ通話も良いと思っています。

オンライン活用は、使い方次第では付加サービスに繋がると思いますので、コロナ禍を機に有効な活用法も検討していきたいと思います。

故人とどうやって過ごすかがクローズアップされてきた

【塚本】 次に、Cさんが「コロナ禍が終活・葬送業界に与える影響と予想される変化」について感じられていることをお話しください。

【C氏】 コロナ禍が葬儀に与えた影響ということでは、先ほどAさんもおっしゃっていましたが、葬儀の小型化です。

今までも、葬儀が縮小してきていると盛んに言われてきたとはいっても、地域での繋がりが強いところなどでは、「葬儀を小さくするわけにはいかない」と言っていました。

そういうところでさえ、葬儀を縮小する大義名分が出来てしまいました。コロナによって、全国どの地域でも、人の目を気にすることなく葬儀を縮小できるようになってしまったと、とても感じています。

その結果、全国的に葬儀の小型化の流れにより拍車がかかっています。

一方で、葬儀は家族中心で、友人、知人などはほとんど呼ばなくなった中で、儀式的なことよりも、その故人とのお別れの場や時間などをどういう風に共有して過ごすかといった視点がクローズアップされるようになってきたと感じています。

家族葬や一日葬というセレモニーがメインではなく、その前に故人とどうやって過ごしたらいいのかというところに着目して、いろいろな提案をすることを模索している葬儀社が増えてきたということです。

【塚本】 何か具体例はありますか。

【C氏】 例えば、安置室を快適にするというような動きも出てきています。安置するスペースをいかに快適に、ゆっくりと過ごしていただけるかという視点で、レイアウトを変えたりしている。

あるいは、葬儀・告別式は何時から何時までですから、その時間に来て下さいというのが今までのスタイルでしたが、故人はこの施設に3日間いますから、いつでも会いに来て下さい、といった対応をするところも出てきています。

【B氏】 私達の団体でもお別れ会を行なったり、故人の家族と話し合いながら葬儀を行なったりしていますが、安置室を快適にするなどは今の状況にまさしくマッチしていますね。

これからはやはり、コロナに付き合っていく方向ですね。

【A氏】 私も、葬儀社はこれから、セレモニー以外のところで、どうお客様とかかわっていくかが大事になってくると思います。

【塚本】 参列者が激減したことによって、葬儀社が視点を変えざるをなくなったというだけではなく、生活者もコロナによって変わってきているのですかね。

【A氏】 それもあると思います。例えば、「私は、葬儀はやらなくていいよ、火葬だけでいいよ、会いたいと思っていた人も呼ばなくていいよ」と言っていた人でさえ、「でも、コロナで死にたくないよ、誰にも会えないから」という人もいます。

言っていることが矛盾しているのですが、今まで死のことを考えたことがなかった人が、コロナによって死を身近に感じ、死に方まで考えるようになったと言えるのかもしれません。

withコロナの時代がしばらく続く

【塚本】 では、「コロナ禍が終活・葬送業界に与える影響と予想される変化」について、私が感じていることをお話します。

私は一応ジャーナリストを標榜していますので、今日はちょっと辛口の話をさせてもらいます。

「企業は環境適応業」と言われるように、企業が成長していくためには環境変化を的確に読んでそれに対応していくことが一番重要と言われます。

でも、私が今一番気になっているのは、コロナ禍によって起こっている環境変化をきちんと認識していない事業者が多いのではないかということです。

というのは、例えば私が多く付き合いのある葬儀社の動きを見ていますと、もちろん感染症対策はきちんと行なっていますが、それ以外ではこれといった手を打っているところは少ないと感じられるからです。

先程、Cさんは、葬儀社の新たな動きの話をされていましたが、そういうところはまだ限られると思います。

こういう時期だから自粛している葬儀社もあるのでしょうが、現在の感染者数や死亡者数の増減に一喜一憂するだけで、コロナウイルスが収束することをただ待っている葬儀社も少なくないのではないのかと感じるのです。

しかし、私が勉強した範囲で言うと、コロナウイルスが収束するとしても相当先になりそうです。

【A氏】 それはどういうことでしょうか。

【塚本】 新型コロナウイルスを封じ込めることはできていません。

封じ込めることができないとすると、集団免疫を獲得して感染しないようにするしかないようですが、その集団免疫を獲得するまでには相当の年月がかかると言われています。

その理由は、新型コロナウイルスは感染力がさほど強くないためにじっくりとしか進まないことや、きちんと効果のあるワクチンができるまでには数年を要し、そういうワクチンができたとしても皆が接種するとは限らないため、などと言われています。

そうすると、コロナウイルスが収束するとしても相当先になり、それまでは、ウイルスと共存する「withコロナ」の時代が続くわけです。

政府も、新型コロナウイルスを完全に封じこめようとすると経済が犠牲になるので、ウイルスと共存する道を選んだようです。

ところが、感染者が急増してきて、感染症対策も経済対策も両方ともうまくいかず、大変な状況になってきており、政府の手の打ち方に批判も多いわけですが、いずれにしてもwithコロナの時代はさらに長引いてしまいそうです。

そうすると、終活・葬送業界でも、現在の感染者数や死亡者数の増減に一喜一憂するのではなく、また、新型コロナウイルスが収束することに期待するのでもなく、withコロナという時代が続くという前提で、これからの戦略、政策を考えていかなければならないわけです。

【B氏】 withコロナの時代が長く続く場合の事業者の戦略、政策を考えるうえで、何が重要だと思われますか。

【塚本】 withコロナが事業者に及ぼす影響の大きさは、業種、業態によって違うと思います。

例えば、葬儀社は、影響が比較的大きい業種だと思います。なぜなら、葬儀は、「三密」ですし、葬儀に参列するのは、高齢者が多いからです。

新型コロナウイルスによって、葬儀の参列者数は激減していますが、コロナウイルスの感染リスクが下がったとしても、もし感染すれば高齢者ほど重症化しやすいので、感染防止のために、高齢者に参列を呼びかけない喪主や、参列を自主的に控える高齢者は少なくないと思われます。

7月22日から「GOTOトラベルキャンペーン」が始まりましたが、高齢者は自粛している人が多いと言われています。

これをみても、withコロナの時代に移行したからといって、参列者数が新型コロナの前に戻ることは期待できそうにありません。

葬儀社がこれからの戦略、政策を考える上では、このことも踏まえて検討することが重要だと思います。

とは言え、今まで経験したことのない事態ですから、何が効果的で正解なのかは、行なってみないと分からないことも多いと思います。

そういう意味では、今は、ともかく出来ることは全部行なってみて、効果を検証すべき時期なわけですが、そういう動きをしている葬儀社は少ないように感じます。

平時には、成功している葬儀社の真似をすればよかったので、それでも商売を継続してこられましたが、今回は、成功事例が出てくるのを待っている間に、つぶれてしまうかもしれません。

葬儀社各社に聞きますと、葬儀件数は増えていても、売上は前年比3~4割ダウンというところが多く、5割以上ダウンという声もポツポツ聞かれます。

葬儀業界では今後、何が起こってもおかしくない状況になってきています。

【A氏】 塚本さんが言われるように、葬祭業は厳しい状況で当社も直面しています。

緊急事態宣言後は通夜・告別式の依頼も減少して一日葬が主流になり、会葬者もほぼ家族だけになったことから葬儀費用、飲食費用、返礼品費用、供花費用とすべてが減少し施行単価が激減しています。

そのうえ、式場展開していることから固定費は同じように掛かってきます。

当社の場合はお料理、返礼品、生花を外注業者に依頼していますが、多くを内製化し多店舗展開されている大手企業さんなどは更に厳しい状況になっていると推測できます。

そして、この現状がしばらくは続くことを考えると、本当に何が起こってもおかしくない状況だと思います。

売り上げ回復が見込めない状況下では、既存事業以外での収益の確保、固定費を大幅削減するスリム化などwithコロナに応じた体制改善が生き残りのポイントになってくると思います。

【B氏】 私達と連携している葬儀関連の方々からも売上げ、収益の減少も耳にします。さらには、コロナの影響かどうかはわからないですが、従業員の方の退職も多いと聞きます。

ただそれでも、7月末まではまだ危機感を感じているところは少なかったです。

しかし、8月に入りコロナの影響が長引くとなってきてからは再び葬儀関連の方からの話しを聞くようになりました。

葬儀社の合従連衡やM&Aが起こってくる

【塚本】 私が感じていることを、もう少し話させてください。

先ほど、環境変化をシビアに読んでそれに的確に対応していくことが重要という話をしましたが、企業が見るべき環境というのは、ご存じの通り需要、つまりお客さんと競争です。

先ほどは、お客さんの変化への対応の話をしましたが、今後は競争の変化に対応していくことも重要になります。

葬儀業界でも単価ダウンが激しくて大変だという声はよく聞きますが、そうは言っても死亡者数は年々増加することに伴って葬儀件数は増えていますから、全体の売上額は横ばいから微減で推移していました。

ところが、コロナ禍の影響で全体の売上高も大きく下がっています。そして、この状態が数年続きそうな様相を呈していますから、競争が一気に激化するということです。

葬儀業界にとっては、いまだかつてない局面に直面したということであり、今後の戦略、政策を考えていく上では、このこともしっかり認識する必要があるわけです。

では、withコロナの時代が長引くことによって、競争環境はどのように変化しそうなのか。

まず、withコロナが長引くことによる影響では、大中小規模の葬儀社のうち、「大規模なところ」や、「ここ20年くらいの間に成長してきた葬儀社」などが特に苦しくなるだろうと私はみています。

【A氏】 もう少し具体的にお願いします。

【塚本】 「大規模のところ」ということでは、まず、互助会です。互助会は生活者に葬儀代を積み立ててもらい、それを葬儀基本料金として、それに参列者数や商品やサービスをグレードアップさせて単価アップを図るビジネスモデルです。

しかし、コロナの影響で参列者が激減することにより、単価アップを図ることが難しくなっています。

専門葬儀社の中で大規模なところということでは、一般葬といわれる参列者の多い葬儀の比率が高い地域一番葬儀社や老舗と呼ばれる葬儀社です。ここは今、大きな打撃を受けています。

「ここ20年くらいの間に成長してきた葬儀社」というのは、一つは、家族葬を中心に、葬儀用品やサービスをパックにしてリーズナブル料金のパックも用意し、多店舗展開して、ブランド力が上がるにつれ、単価アップをどんどん図ってきたところです。

しかし、コロナの影響で多店舗展開や単価アップが難しくなっています。

もう1つは、インターネットによって集客し、葬儀社に顧客を紹介している葬儀紹介会社です。

葬儀紹介会社では、新型コロナの前から一般葬より家族葬のウェイトが高くなっていましたが、コロナの影響で家族葬の中でも1日葬やごく少数の家族葬、直葬が急増しています。

コロナウイルスが発生する前から、直葬比率が5割を超えていた葬儀紹介会社もあり、現在では7~8割に達しているかもしれません。

葬儀紹介会社では紹介手数料が収入源になっており、直葬の紹介手数料は、高い紹介会社では4割を超えています。

非常に良い商売ではないかと思うかもしれませんが、葬儀紹介会社の競争激化により直葬の最低料金は14万円程度にまで下がってきており、彼らが受け取る直葬の手数料額も下がってきています。

コロナの影響により、一日葬や直葬が増えることにより、彼等が受け取る総手数料額も下がってきており、苦しくなっているのです。

では、このような影響によって、今いった葬儀社にはどのような変化が起こってきそうなのか。私は、葬儀社の合従連衡やM&A(企業買収)が起こってくるのではないかと予想していますし、既に起こってきています。

【C氏】 既に起こっているというのは、どういうことでしょうか。

【塚本】 既に半分、水面上に出てきている話をしましょう。

つい最近の話ですが、ゆえあって某専門葬儀社のサイトを見ていたら、某葬儀紹介会社の社長が、その専門葬儀社の社長に就任していました。両方の社長になっていたのです。

びっくりしました。葬儀紹介会社と葬儀社は、基本的には競争関係にありますから、普通では考え難いことだからです。

これは一体どういうことかと思って、両社の周辺の人に聞いてみところ、両社が共同で上場を目指しているということでした。

周辺の、いわゆる間接情報ですから、間違いないとは言えませんが、両社ともそれぞれ上場を目指しているということは以前から聞いていましたので、可能性のある話だと思いました。

このように、つい最近まで考えられもしなかったことが起こっているのです。

一方、withコロナ時代では、中小の葬儀社も苦しくなると思いますが、大手と比べると、相対的にコロナの影響は少ないですし、大が失速したりごたごたすれば逆にチャンスです。

しかし、気が付いたら負けていたということにならないよう、競争相手のことをきちんとリサーチして対応策をとっていく必要があります。

【C氏】 私も業界再編が進んでいくだろと予想しています。

例えば、インターネットで集客している葬儀紹介会社は、葬儀の小規模化によって一日葬、直葬が増え、それだけ収入も増えてきています。

しかし、それで万々歳なのかいうと、広告をどんどん打たないと集客できないので、企業の体力勝負になってきています。

実際、体力が持たないようなところは売りに出していますので、業界再編が進んでいくだろうと思うのです。

(下に続く)



塚本 優(つかもと まさる)
終活・葬送ジャーナリスト。早稲田大学法学部卒業。時事通信社などを経て2007年、葬祭(葬儀、お墓、寺院など)を事業領域とした鎌倉新書に入社。月刊誌の編集長を務めたほか、終活資格認定団体を立ち上げる。2013年、フリーの終活・葬送ジャーナリストとして独立。 生前の「介護・医療分野」と死後の「葬儀・供養分野」を中心に取材・執筆活動を行なっている。

[塚本優]