地方移住を希望する最大の理由は「スローライフを実践したい」から

[2017/11/15 00:00]

5,000人を対象にした地方移住の意向調査

調査会社のクロス・マーケティングが、地方移住についてのアンケート結果を公開しています。

2017年9月に行なわれたアンケートには、全国の20歳~69歳までの男女5,000人が回答しています。

回答者の7割は地方移住に関心がない

「地方移住」または、平日は都会で働き、週末は田舎で過ごす「二地域居住」についての意向を聞いています。

一番多いのは「特に関心はなく、検討もしていない」で、70.3%でした。

つまり、回答者の7割は地方移住について関心がありません。

地方移住に積極的な人でも、「関心はあるが、具体的に検討していない」が多く17.3%を占めます。

地方移住への憧れはあっても、そこから先に進めない人が多いことが分かります。

しかし、地方移住や二地域居住を、「すでに行なっている」人も4.9%います。

4.9%と言えば、ほぼ20人に1人です。それだけの人が、地方移住や二地域居住を実行済みというのは、かなり高い割合と言えるでしょう。

出典:クロス・マーケティング

移住パターンでは「二地域居住」が多い

「地方移住や二地域居住で希望するパターン」で、一番多いのは「まだ分からない」でした。

もう少し具体的になっている人では「二地域居住」が多く、故郷に帰る「Uターン移住」、故郷とは別の地域に移住する「Iターン」の順になっています。

故郷に近い中心都市に帰る「Jターン」は、あまり多くありません。

出典:クロス・マーケティング

移住の理由は「スローライフを実践したい」

「地方移住や二地域居住をしたい理由」で、一番多いのは「スローライフを実践したい」でした。

次に多いのは「自分の故郷で暮らしたい」で、「美味しい水や食べ物、空気の中で暮らしたい」が続きます。

ゆっくりしたナチュラルなライフスタイルに憧れて、地方移住を考え始める人が多いようです。

出典:クロス・マーケティング

移住しない理由は「今の生活環境を変えたくない」

一方、「移住を検討しない理由」で多いのは、「今の生活環境を変えたくない」でした。

次に「交通の便が良くなさそう」「場所に親しみがない」「買い物の利便性が良くなさそう」が続きます。

現在の生活への愛着、利便性の低下への不安などが、移住を検討しない理由のようです。

出典:クロス・マーケティング

最大の不安は「働き先が少ない」

移住に前向きな人でも「移住に対する不安点・課題点」はあります。

一番多く挙がっているのは「働き先が少ない」でした。

次に「買い物など日常生活の快適さ」が入っています。

以下、「賃金が安い」「移住先の人間関係の構築」「公共交通機関の利便性」「医療・介護・福祉施設の利便性」などが続きます。

収入を得るための就労への不安と、生活の利便性を手放すことへの不安が、地方移住の課題となっていることがわかります。

出典:クロス・マーケティング
出典:クロス・マーケティング
[シニアガイド編集部]