年金制度に関心のある人は8割以上。知りたいのは「支給額」

[2019/1/21 00:00]

政府による世論調査

内閣府が、「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」の結果を公開しています。

2018年11月に面接方式で行なわれた調査では、2,919人の有効回答を得ています。

ここでは公的年金制度に対する質問の結果を紹介します。

年金に関心がある人は8割以上

まず、「公的年金制度に関心があるかどうか」を聞いています。

回答者のうち「関心がある」が86.7%を占めました。

出典:データを基に編集部が作成

一番の関心は「受け取れる年金の金額」

「年金制度に関心がある」人に、関心の対象を聞いています。

一番多いのは、「自分が受け取れる年金はどのくらいか」でした。

そして、「少子化、高齢化が進んでいく中で、将来の公的年金制度全体の姿はどのようなものになるのか」が続き、年金制度への不安が感じられます。

三番目は「自分は年金をいつから受け取れるのか」でした。

出典:データを基に編集部が作成

年金に関心がない人は「20代」が多い

一方、「年金制度に関心がない」回答者も12.4%います。

その割合を年齢別に見ると、「20代」が多く40%を超えています。

「30代」からは少なくなり、「50代」になると10%を切ります。

つまり、「30代」になると、年金への関心が高まり、「50代」になると現実の問題として関心が高まると見て良いでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

関心がない理由は「将来の話なので」

「年金制度に関心がない理由」で一番多いのは、「将来の話なので、老後の生活については深く考えていないから」でした。

「20代」に多いのは当然ですが、「70代」でも20%以上の人が、これを選んでいます。

現役で働いていて収入が多く、年金に関心がない方々なのでしょうか。

次に「老後の生活は公的年金に頼らず、貯蓄したり他に収入を得られるよう準備しているから」が続きます。

これは、年金制度を信頼せずに、自分で準備するということでしょう。

三番目に「老後の生活は公的年金に頼らず、配偶者や子どもなどに養ってもらうつもりでいるから」が入っています。

そこまで人任せにするのは怖いような気もしますが、頼りになる家族なのでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

今年は年金の財政検証がある年

調査の結果を見ると、30代以降の人は、公的年金制度に対する関心が高いことが分かります。

特に、「自分の年金がいつから、どれだけもらえるのか」ということが知りたい人が多いようです。
自分の年金におおまかな見落としが「ねんきん定期便」でわかるようになるのは、50歳を過ぎてからになります。

それまでは「給付額と給付水準の見通し」について関心を持って、ニュースを見守りましょう。

2019年は、5年に一度の「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」が公開される予定です。

年金制度の将来を見通すための、重要な手がかりなので、発表を待ちましょう。

[シニアガイド編集部]