年金制度に関心のある人は8割以上。知りたいのは「支給額」
政府による世論調査
内閣府が、「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」の結果を公開しています。
2018年11月に面接方式で行なわれた調査では、2,919人の有効回答を得ています。
ここでは公的年金制度に対する質問の結果を紹介します。
年金に関心がある人は8割以上
まず、「公的年金制度に関心があるかどうか」を聞いています。
回答者のうち「関心がある」が86.7%を占めました。
一番の関心は「受け取れる年金の金額」
「年金制度に関心がある」人に、関心の対象を聞いています。
一番多いのは、「自分が受け取れる年金はどのくらいか」でした。
そして、「少子化、高齢化が進んでいく中で、将来の公的年金制度全体の姿はどのようなものになるのか」が続き、年金制度への不安が感じられます。
三番目は「自分は年金をいつから受け取れるのか」でした。
年金に関心がない人は「20代」が多い
一方、「年金制度に関心がない」回答者も12.4%います。
その割合を年齢別に見ると、「20代」が多く40%を超えています。
「30代」からは少なくなり、「50代」になると10%を切ります。
つまり、「30代」になると、年金への関心が高まり、「50代」になると現実の問題として関心が高まると見て良いでしょう。
関心がない理由は「将来の話なので」
「年金制度に関心がない理由」で一番多いのは、「将来の話なので、老後の生活については深く考えていないから」でした。
「20代」に多いのは当然ですが、「70代」でも20%以上の人が、これを選んでいます。
現役で働いていて収入が多く、年金に関心がない方々なのでしょうか。
次に「老後の生活は公的年金に頼らず、貯蓄したり他に収入を得られるよう準備しているから」が続きます。
これは、年金制度を信頼せずに、自分で準備するということでしょう。
三番目に「老後の生活は公的年金に頼らず、配偶者や子どもなどに養ってもらうつもりでいるから」が入っています。
そこまで人任せにするのは怖いような気もしますが、頼りになる家族なのでしょう。
今年は年金の財政検証がある年
調査の結果を見ると、30代以降の人は、公的年金制度に対する関心が高いことが分かります。
特に、「自分の年金がいつから、どれだけもらえるのか」ということが知りたい人が多いようです。
自分の年金におおまかな見落としが「ねんきん定期便」でわかるようになるのは、50歳を過ぎてからになります。
それまでは「給付額と給付水準の見通し」について関心を持って、ニュースを見守りましょう。
2019年は、5年に一度の「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」が公開される予定です。
年金制度の将来を見通すための、重要な手がかりなので、発表を待ちましょう。