お金を取られる手口が違う「オレオレ詐欺」と「架空請求詐欺」
まだまだ多い「振り込め詐欺」
警察庁が、2018年の「振り込め詐欺」の状況を発表しています。
「振り込め詐欺」は、電話やはがきなどの文書などで相手をだまし、金銭の振り込みを要求する詐欺です。
2018年の「振り込め詐欺」の件数は「16,315件」で、被害額は「349億円」に達しています。
「振り込め詐欺」の件数は過去最高だった昨年よりも減りましたが、1万件を超える高い水準が続いています。
注意が必要なのは「オレオレ詐欺」と「架空請求詐欺」
「振り込め詐欺」は、細かく分類されていますが、すべての詐欺に備えることは簡単ではありません。
警察庁の統計によれば、「振り込め詐欺」の8割以上は、「オレオレ詐欺」と「架空請求詐欺」の2つが占めています。
つまり、まず備えるべきなのは「オレオレ詐欺」と「架空請求詐欺」なのです。
ここでは、それぞれの特徴を紹介しましょう。
会って受け取る手口が多い「オレオレ詐欺」
「オレオレ詐欺」は、親族になりすましてお金の必要性を訴えて、現金やクレジットカードを受け取る詐欺です。
「オレオレ詐欺」は高齢の被害者が多い詐欺で、被害者の96.9%は、65歳以上の高齢者が占めています。
例えば、息子と名乗って電話を掛けて、「会社のお金を落とした、これから行く人にキャッシュカードを渡してくれ」などと誘導します。
2018年の統計を見ると、ほとんどの場合、誰かが会ってキャッシュカードや現金を受け取る「手交型」の手口が取られています。
また、キャッシュカードを点検するふりをして、偽物とすり替えてしまう手口が増えてきています。
キャッシュカードのすり替えは、詐欺ではなく窃盗にあたる犯罪ですが、確認のために、キャッシュカードを手渡すだけでも危険な行為であることが分かります。
年代を問わない「架空請求詐欺」
一方、「架空請求詐欺」は、契約した覚えのない、商品やサービスの代金を請求して、金品をだまし取る詐欺です。
例えば、有料サイトの閲覧や登録等を理由に現金や電子マネーをだまし取る「有料サイト利用料金等名目」の架空請求詐欺が典型的な手口です。
統計によれば、お金を受け取る手段は、分散しています。
一番多いのは,コンビニなどで電子マネーを購入させて、その番号を連絡させる手口です。
ただし、キャッシュカードを受け取りに来たり、現金を送付させるなどの手口も多いので、注意が必要です。
架空請求詐欺の被害者は高齢者に限らず、幅広い年代に渡っています。
いつ、自分が詐欺の被害者になってもおかしくないと思って、見に覚えのない請求などに対処しましょう。