高額な契約金でトラブルになりやすい「身元保証サービス」
毎年、100件前後の相談が持ち込まれる
国民生活センターが、「高齢者の身元保証サービスの契約トラブル」を警告しています。
ここで言う「身元保証サービス」は、高齢者を対象として、身元保証や、日常生活の支援、死後事務等を行なうサービスです。
例えば、一人暮らしの高齢者が、病院への入院や、賃貸住宅や高齢者施設への入居が必要になった場合に、代金と引き換えに身元の保証を行ないます。
しかし、身元保証サービスについては、「契約金が高額」、「契約内容が分かりにくい」、「解約したのに返金額が少ない」などのトラブルが絶えません。
全国の消費者センサーには、毎年、100件前後の相談が持ち込まれています。
高額な入金を求められた事例
典型的なトラブルとして、高額な入金を求められた例を見てみましょう。
頼れる親族がいない中、知人から紹介されて、身元保証サービスや亡くなった後の事務手続等を代行する事業者とサポート契約をした。費用を支払った記憶があるが、その他に預託金として100万円を支払うように求められた。契約内容など、その詳細について理解できていなかったこともあり、更なる高額な預託金の支払いを躊躇(ちゅうちょ)していたところ、担当者から「明日どうなるか分からない。一刻も早く預託金を支払うように」と急がされた。
詳細な説明もない中で、このような事業者の対応に困惑しているが、どうしたらよいか。(60代女性)
内容を理解しないまま高額な契約をしている例が多い
国民生活センターでは、相談事例からみられる問題点として、次の3つを挙げています。
- サービス内容や料金等を理解できていないまま契約している
- 約束されたサービスが提供されないことがある
- 解約時の返金をめぐってトラブルになることがある
例えば、「サービス内容が理解できてない」理由の1つは、契約者が高齢であることです。
持ち込まれた相談について、契約者の年齢を見ると、70代や80代が多くなっています。
また、「契約金額」では、「100万円以上200万円未満」が多くなっています。
身元保証サービスの料金は、単なる「保証人としての名義を借りる挨拶料」ではありません。
万が一の際に、重要な責任を負う可能性が高く、そのリスクに応じて料金は高額なのです。
「サービス内容や料金の確認」が重要
国民生活センターでは、「消費者へのアドバイス」として次の4点を挙げています。
- 自分の希望をしっかりと伝え、サービス内容や料金等をよく確認しましょう
- 預託金等の用途や解約時の返金に関する条件について予め確認しておきましょう
- 契約内容を周囲の人にも理解してもらうよう心がけましょう
- 契約や解約に際しトラブルになった場合にはすぐに最寄りの消費生活センター等に相談しましょう
今後も、一人暮らしの高齢者は増えていく見込みであり「身元保証サービス」が必要となる場合も出てくるでしょう。
しかし、「身元保証サービス」は、契約内容が複雑になりやすく、料金も高額です。
利用にあたっては、国民生活センターのアドバイスをもとに、慎重に契約することを心がけましょう。