3回目の接種時期は、2回目の接種から「6カ月後」に短縮
【お知らせ】この記事の公開後、厚労相により、「8カ月後」を基本とする方針が明確にされました。「6カ月後」は特殊な状況のみとなります。詳細については、こちらの記事をご参照ください。
3回目は、2回目の接種から「6カ月後」
厚労省は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について、2回目と3回目の間隔を短縮し、「2回目の接種の6カ月後」としました。
これまで厚労省は、2回目の接種が終了から「8カ月後」に3回目の接種を行なうとしていました。
しかし、2回目の接種から日数を空けることにより、ワクチンの効果が落ちるという研究が複数発表されたことから、3回目までの期間が短縮されたのです。
諸外国では、イスラエルが7カ月後としている以外は、「8カ月後」としている国が多く、「6カ月後」は、かなり短い設定です。
「予防効果が低下する」という複数の論文
「6カ月後」にする根拠として、紹介された論文の一例を紹介しましょう。
この論文では、ワクチンの2回目の接種後に、重症化/死亡に対する予防効果の変化を見ています。
接種から「1カ月後」は96.0%ですが、「6カ月後」には88.9%に下がります。
さらに「7カ月後以降」は55.6%と大きく下がります。
出典:Tartof et al(Lancet,2021)
別の論文でも、5カ月後の感染予防効果が、接種1カ月後の80%台から、5カ月後には39~50%まで下がるという結果となっています。
出典:Chemaitelly H et al(NEJM,2021)
これらの論文の内容を踏まえて、ワクチンの予防効果を維持するために、「6カ月後」への短縮に踏み切ったのです。
自治体から「接種券」が届くのを待つ
では、いつから3回目の接種ができるのでしょうか。
3回目のワクチン接種は12月1日から始まります。
そして、2回目までと同様に、地元の自治体から「接種券」が届けられ、それを使ってワクチン接種を予約します。
つまり、自分の順番が来る前に届く、「自治体からの接種券」を待っていれば大丈夫です。
ワクチンの供給状況によっては、接種券が届くのが、2回目の接種の6カ月後から遅れることもあるでしょう。
3回目のワクチン接種については、まだ状況が分からない点も多いので、情報収集をしながら、待つことになりそうです。
「12歳以上18歳未満」は認可待ち
注意が必要なのは、3回目の接種の対象は「2回目の接種を終えた18歳以上」に制限されていることです。
2回目の接種を終えた「12歳以上18歳未満」の該当者については、3回目の接種が認可されるまで、しばらく待つことになります。
なお、3回目のワクチン接種については、医療従事者、高齢者、感染リスクが高い人などが優先されます。
これらに該当する人は、自分の住んでいる自治体からの通知を確認してください。