片道2時間以上かかる「遠距離介護」をしている人の多くは「月に3~4回」も通っている
介護をしている千人へのアンケート
介護保険外自費サービスを提供するN.K.Cナーシングコアコーポレーションが、「介護経験者の実態」に関する調査の結果を公開しています。
2024年1月に行なわれたインターネット調査には、家族の介護をしている男女1,003人が回答しています。
この記事では、遠距離介護に関する回答を中心に紹介します。
2割の人が遠距離介護をしている
まず、介護中の家族との距離を聞いています。
一番多いのは「近・中距離」で、6割を超えました。
つまり、介護の対象まで、片道2時間以内で行けるところに別居している人が多いことが分かります。
次に多いのが「遠距離」で、2割でした。
片道2時間以上も離れた「遠距離介護」の人が少なくないことが分かります。
残りの2割は「同居」でした。
遠距離介護なのに「月3~4回」も通う人が多い
遠距離介護の人に絞って、介護先に行く頻度を聞いています。
一番多いのは「月3~4回」でした。
そして、「月1~2回」と「月5回以上」が続きます。
片道2時間以上の遠距離を月に何回も往復する負担は、小さくありません。
遠距離介護をしている人の9割が悩んでいる
遠距離介護中の人に「介護について不安や悩み」を聞いています。
「とても強い不安・悩みがある」と「やや不安・悩みがある」を合わせると、9割以上の人が不安や悩みを抱えています。
「定期的な帰省」が負担に
次に、遠距離介護中の困りごとを聞いています。
一番多い答えは「病院付き添いや手続き等による定期的な帰省が負担」でした。
次に多いのが「お金」です。
遠距離を何度も往復していると、交通費の負担も馬鹿になりません。
また、「離れて暮らしているため、何かあった時にすぐに対応できない」も3割以上の人が挙げています。
自分や家族に影響が出ている人が8割を超える
最後に、遠距離介護を始めたことによる自分や家族への影響を聞いています。
やはり、「影響があった」は多く、8割を超えました。
影響の内容で一番多いのは、「介護の負担により、心身の疲労が溜まっている」でした。
そして、「介護によって、働く時間が減り、収入が少なくなった」や「仕事を休む回数が増加し、昇進機会を逃した」などが挙がっています。
遠距離介護は、生活や仕事への影響が避けられず、介護をする人にとって大きな負担となっていることが分かります。