国民生活センターが、アルコール消毒液のテスト結果を公開しています。
手指の消毒に使うアルコール消毒液は、アルコール濃度「70%」が最適、「60%」あれば使用可能とされています。
しかし、国民生活センターがテストした30製品のうち、8製品はアルコールの濃度が60%未満でした。
なお、アルコール濃度の表示には「容量」によるものと「重量」によるものがありますが、この記事では「容量」で統一しています。
今回テストされた30製品は、次の3つに分類されます。
「医薬品、医薬部外品」が一番厳しい規定で、アルコール濃度の規定があります。
「化粧品」と「雑品」では、アルコール濃度の規定がなく、メーカー任せになります。
なお、新型コロナウイルス対策の一貫として、アルコール濃度が60%以上の製品であれば、「化粧品」や「雑品」であっても、次のような表示が許されています。
「本製品は医薬品や医薬部外品ではありませんが、消毒用エタノールの代替品として、手指消毒に使用することが可能です」
逆に言えば、アルコール濃度が60%未満でも、このような表示を行なわない限り、違法ではありません。
国民生活センターのテストの結果、「医薬部外品」の3製品は、いずれも80%の濃度があり、消毒用としてまったく問題ありませんでした。
厳しい規定をくぐり抜けた製品だけに、信頼できる品質です。
一方、アルコール濃度が60%未満だった8製品は、「化粧品」か「雑品」でした。
「化粧品」と「雑品」は、アルコール濃度の規定がないので、玉石混交な状態なのです。
例えば、製品番号14番の東和化粧品「ハンドジェルT」は、極端に濃度が低く、アルコール濃度は20%台でした。
ただし、「化粧品」や「雑品」であっても、本体にアルコール濃度が表示されている製品では、アルコール濃度が極端に低い製品はありませんでした。
うがった見方をすれば、アルコール濃度が低い製品は、誇大表示にならないように、製品にアルコール濃度を表示していないのでしょう。
国民生活センターでは、消費者へのアドバイスとして、次の3つを挙げています。
繰り返しになりますが、「化粧品」や「雑品」では、アルコール濃度の規定がありません。
そのため、アルコール濃度が60%未満であっても、そのこと自体は違法ではありません。購入する際に、製品の表示から自分で判断してください。
アルコール濃度の表示のない製品は、消毒用としては避けた方が無難です。
そして、絶対確実なものが欲しいというときは、「医薬品」か「医薬部外品」を選びましょう。